キャリアアップ助成金 令和6年版【最新情報】
キャリアアップ助成金は、 非正規雇用の労働者を正規雇用へ転換 する企業を支援する制度です。令和6年版の主なポイントを解説します。
1. 正社員化コースの概要
対象
有期雇用・無期雇用の労働者や派遣労働者を 正社員化 した場合に助成。
助成額
企業規模ごとに異なり、中小企業の方が助成額が大きい。
企業規模 | 有期→正社員 | 無期→正社員 |
---|---|---|
中小企業 | 80万円(40万円×2回) | 40万円(20万円×2回) |
大企業 | 60万円(30万円×2回) | 30万円(15万円×2回) |
加算要件
以下の条件を満たすと 助成額が上乗せ されます。
- 派遣労働者を直接雇用 → 28.5万円
- 母子家庭の母・父子家庭の父 → 9.5万円~4.75万円
- 人材開発支援助成金の訓練修了後に正社員化 → 9.5万円~5.5万円
- 正社員転換制度を新たに規定 → 20万円~15万円
- 勤務地限定・職務限定・短時間正社員を導入 → 40万円~30万円
2. 対象となる労働者
以下の条件を すべて満たす 非正規労働者が対象です。
✅ 6か月以上 の雇用実績がある
✅ 正社員化の前日から過去3年以内に正社員として雇用された経歴がない
✅ 事業主の親族(3親等以内)ではない
✅ 正社員化後も6か月以上雇用されている
✅ 定年まで1年以上の雇用期間がある
3. 対象となる企業
以下の条件を満たす事業主が対象です。
✅ 就業規則等に正社員転換制度を規定している
✅ 転換後6か月以上雇用 し、6か月分の賃金を支給
✅ 正社員化後の賃金が3%以上増額 されている
✅ 過去1年間に企業都合で解雇した者がいない
✅ 社会保険の適用事業所である
4. 申請期間と手続き
⏳ 第1期申請: 正社員化後 6か月の賃金支払い後2か月以内
⏳ 第2期申請: 正社員化後 12か月の賃金支払い後2か月以内
必要書類(主なもの)
📌 キャリアアップ計画書
キャリアアップ計画書は一番最初、キャリアアップ助成金を使うと決めた段階ですぐに出してください。
キャリアアップ計画書を出して就業規則要件が揃ってから半年経過で助成金の活用が可能になります。
キャリアアップ計画書の概要はこちらをご覧ください
📌 就業規則
キャリアアップ助成金の活用には就業規則要件があります。
こちらを満たしていないと不支給になる恐れがありますので慎重に確認してください。
キャリアアップ助成金の就業規則要件はこちらをご覧ください
📌 雇用契約書・労働条件通知書
これは正社員化前と正社員化後の両方を保存してください。
📌 賃金台帳(正社員化前後の比較)
📌 出勤簿・タイムカード
キャリアアップ助成金
受給までの流れ
キャリアアップ計画書の作成を行い労働局に提出します。
非正規社員を正社員に転換するためのルールを就業規則にて整備します。
就業規則整備から6ヶ月経過後に正社員化試験を実施して
非正規社員を正社員化します。
正社員化して6ヶ月経過したら(第一期)助成金の支給申請を行います。
更に6ヶ月経過後(第二期)にもう一度支給申請を行います。
5. 賃金増額要件(3%以上)
賃金比較時には 基本給・定額手当 を含めますが、以下の手当は 除外 されます。
❌ 通勤手当、住宅手当、食事手当、歩合給、賞与
❌ 時間外手当(固定残業代含む)
住所が変わって通勤手当の額が増えても給与を上げた事にはならないよね、という扱いです。
例:
- 正社員化前:月給 20万円
- 正社員化後:月給 21万円(5%増額 → 要件クリア ✅)
6. 人材開発支援助成金との併用
人材開発支援助成金の特定の訓練 を受けた後に正社員化すると、キャリアアップ助成金に 加算 されます。
🎓 対象となるコース
- 人材育成支援コース
- リスキリング支援コース
- 人への投資促進コース
7. 注意点
⚠ 試用期間を設けた場合、試用期間終了後に正社員化日が確定
⚠ 正社員化後に賃金を引き下げると不支給
⚠ 制度を悪用(偽装正社員化)した場合、不正受給とみなされる
⚠ 令和5年度以前の取り組みには旧要件が適用
まとめ
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者を正社員化することで 1人当たり最大120万円の助成 も可能。
申請には 正社員転換制度の規定、6か月以上の継続雇用、3%以上の賃金増額 などの要件を満たす必要があります。
人材開発支援助成金と組み合わせることで、さらなる加算が可能!
📢 助成金の詳細や申請のご相談は、お気軽にお問い合わせください!