はじめに

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給方法(貰い方)支給申請の手順や必要な添付書類不支給になりやすいポイントを令和7年度版として整理しました。初めての企業でも手続きの流れが分かるよう、実務目線で分かりやすくまとめています。

  • 支給申請に必要な書類
  • 書類の具体的な書き方
  • 支給申請の手続きの流れ

正社員化コースは、キャリアアップ助成金の中でも特に
勤怠・給与・契約書類の整合性が求められ、不支給になりやすい制度です。

本記事では、企業がつまずきやすいポイントや実務上の注意点も含め、
この記事だけで支給申請の全体像が理解できることを目指しています。

令和7年度の最新ルールに基づいて解説していますので、
これから申請を進める企業の方や制度理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

なお、今回は第一期分を想定して記事を書いています

キャリアアップ助成金でお困りなら

小畑社会保険労務士事務所 にお気軽にご相談ください。


申請期間について

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給申請では、
「正社員化した日」「申請期間」の2つを確実に確認する必要があります。
いずれかがズレていると、申請自体が受け付けられないため、必ずチェックしてください。

1. 正社員化した日(キャリアアップ計画期間内か)

支給申請の対象となる労働者を正社員化した日が、
キャリアアップ計画書に記載されている「キャリアアップ期間内」にあるかを確認してください。

計画期間外で転換してしまった場合、原則として支給対象にはなりません。

なお、キャリアアップ計画書の提出がまだの方は、以下の記事を先にご確認ください。
【令和7年最新版】キャリアアップ計画書の書き方・届出完全ガイド|社労士監修【キャリアアップ助成金】 | 仙台の社労士なら小畑社会保険労務士事務所

2. 支給申請の期間(期限を過ぎると不支給)

正社員化コースは、以下の2回に分けて申請することができます(任意)。
それぞれ「賃金支払日の翌日から2か月以内」が期限です。

  • 第1期:正社員化後の最初の6か月分の賃金支払日翌日から2か月以内
  • 第2期:第1期の次の6か月分の賃金支払日翌日から2か月以内

■ 第1期の具体例

例:4月1日に有期雇用から正社員に転換した場合

対象となる期間は以下の6か月です。
4月・5月・6月・7月・8月・9月

当月締め・翌25日払いの場合、9月分の給与は10月25日に支払われます。
支給申請の期限は、この日の翌日から2か月以内(12月25日まで)となります。

ポイント
この申請期限を過ぎてしまうと、
支給申請自体が不可能になります。
正社員化した日と賃金支払日から逆算し、スケジュール管理を徹底しましょう。

支給申請に必要な書類

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給申請では、
第1期・第2期いずれも共通して以下の書類が必要となります。
記入漏れ・整合性不足があると不支給リスクが高まるため、必ずチェックしてください。

1.キャリアアップ助成金 支給申請書(様式第3号)

  • 記入漏れがないか
  • 記載内容に誤りがないか
  • 事業所情報や代表者名に不備がないか

2.正社員化コース 内訳(様式第3号・別添様式1-1)

  • 記入漏れがないか
  • 加算の有無など記載事項が正確か

3.正社員化コース 対象労働者詳細(様式第3号・別添様式1-2)

  • 正社員化後6か月分の賃金支払日が正しく記入されているか
  • 基本給と残業代の締切日・支給日がズレていないか(最も誤りが出やすいポイント)
  • 「正社員として雇用する前提」で採用した有期労働者ではないか
  • 事業主または取締役の3親等以内の親族ではないか
  • 正社員化した日から定年まで1年以上の期間があるか

4.支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)

  • 記入漏れ・誤記がないか
  • 問4〜16で「いいえ」がある場合、支給対象外になるため必ず確認

5.支払方法・受取人住所届(初回または口座変更時のみ)

  • 記入漏れがないか
  • 通帳写しなど、口座番号が確認できる書類を添付しているか

ポイント
第1期・第2期の申請で使用する書類は基本的に共通です。
記載内容に少しでも矛盾があると審査で止まりやすく、不支給リスクが上がります。

ここからは、これらの申請書類について、
実務基準での書き方・チェックポイントを順番に解説していきます。

キャリアアップ助成金 支給申請書(様式第3号)

①~⑥ 基本的にキャリアアップ計画書を参照して埋めましょう
⑦ 中小企業の判断基準に従ってマークしましょう

⑧ 資本金は最新のもの、履歴事項全部証明書等を参照して記入しましょう

⑨常時雇用する労働者にはパートさん等も含まれます(フルタイム労働者の合計ではありません)

⑩今回は正社員化なので1にまるを付けます

⑪今回の労働者について他に助成金や補助金を受け取ったり受け取る予定がありますか?という質問です

中小企業の判断基準です

正社員化コース 内訳(様式第3号・別添様式1-1)

①転換規定は労働協約と就業規則、どちらで規定しましたか?
就業規則なら2番、日付はその就業規則が有効になった日です。

②非正規と正社員の待遇差はなんですか?
例)正社員のみ賞与がある場合は2番

③④ 正社員化では省略

⑤対象労働者の
氏名、年齢(転換時)有期から正規なのか無期から正規なのか記載

⑥有期から正規が2人の場合
2人×40万円
今回転換規定を作成した場合(3)の20万円にもチェック
合計100万円と記入

正社員化コース 対象労働者詳細(様式第3号・別添様式1-2)

③ 労働者の雇用保険番号です
⑦ 転換時の有期雇用期間は5年以下か(超えてると無期労働者扱いになります)

⑧途中に無期契約や正社員の期間は無いか

⑨正社員を前提とした求人ではなかったか
⑫途中で有期雇用以外の形態で雇用したか

⑳今後その労働者を非正規に戻す予定があるか

㉑本人にこれらを確認したか(確認していないのにチェックを付けると虚偽申告となります)

支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)

タイトルを編集して括弧内の助成金をキャリアアップ助成金とします。
法人名から雇用保険の事業所番号まで埋めます

4番から16番までついて はいを丸で囲みます
4から16までに「いいえ」がある場合は要件を満たしません。

こちらも欄を埋めて
役員の名前を書きましょう
履歴事項全部証明書があると楽ですね

支払方法・受取人住所届

①事業所番号とは雇用保険適用事業所番号の事です

⑦まで助成金を受け取りたい口座の情報を適切に入力しましょう

口座の写しも必要なので用意しましょう

添付書類(第一期)

1.キャリアアップ計画書(写)

正社員化の前日までに受理されている物を添付します。

2.就業規則

労働基準監督署の印鑑がある就業規則を添付します。

3.対象労働者の正社員化前後の雇用契約書

現在の雇用契約書と正社員化する直前の雇用契約書を添付します。

4.対象労働者が雇用された日付が分かる雇用契約書等

労働者が最初に雇用された日が分かる雇用契約書を添付します。

5.対象労働者の正社員化前後の賃金台帳等(写)及び賃金台帳3%以上増額に係る計算書

正社員化前6ヶ月、正社員化後6ヶ月の賃金台帳と
賃金上昇要件確認ツールを添付します。
計算書と書かれていますがツールでの書類作成を推奨されています。
賃金台帳で労働時間を把握出来ない場合は別途出勤簿、タイムカードを添付します。

おわりに

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、制度の概要だけを見ると簡単そうに感じますが、
実際の支給申請では勤怠・給与・契約書類の整合性が細かく確認されるため、
わずかな日付のズレや記載漏れでも不支給につながるケースがあります。

この記事では、申請期限の考え方から必要書類のチェックポイントまで、
現場で実務を行う際に押さえておきたい内容をまとめました。
しかし、実際の申請では企業ごとに契約形態・勤務体系が異なるため、
「自社の場合はどうなるのか」という部分で迷われる方も多くいらっしゃいます。

もし、今回の記事を読んで
・うちのケースは申請できるのか?
・書類の整合性に問題がないか不安
・正社員化のタイミングが適切か確認したい

と感じられましたら、下記よりお気軽にご相談ください。

当事務所では、キャリアアップ助成金の申請可否チェックから、
申請書類の確認、就業規則・契約書類の整備まで一貫サポートしています。
初回相談は無料ですので、状況をお聞かせいただければ、
最適な進め方をご提案いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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